⚖️ 法的事実:入れ墨の状態評価・治療法の選択は医師の業務(医師法第17条)。本教材は医学的知識を整理した一般情報。
⚡ 30秒早見
入れ墨(Tattoo)は、意図的に真皮(皮膚の深い層)に注入された不溶性の色素粒子。ターンオーバーで排出されないため半永久的に残る。治療はピコ秒レーザーで粒子を粉砕→マクロファージ排出が原則。色数・深さ・サイズで治療回数が大きく変わる(5〜10回以上)。
💡 ひとことで言うと
入れ墨は「皮膚の奥深い、生まれ変わらない層に色の粒が閉じ込められた状態」。レーザーで粒を細かく砕くと、体のお掃除細胞(マクロファージ)が少しずつ体外へ運び出してくれる。
ただし、入れる時に針で皮膚自体も傷ついているから、色が抜けても入れ墨のシルエット(質感の跡)が残ることがある。「完全に元通り」は難しい、というのを事前に伝えるのがカウンセラーの仕事。
📖 用語メモ
- 真皮 = 皮膚の「奥の層」。ターンオーバー(生まれ変わり)がない。ここに入った色は抜けない
- マクロファージ = 体の「お掃除細胞」。異物を食べて排出する
- Immediate Whitening = レーザー当てた瞬間、皮膚が一時的に白くなる正常反応(ガスが発生するため)
- ピコ秒レーザー = 1兆分の1秒の超短パルス。従来の Qスイッチより粒子を細かく粉砕でき、PIH リスクも低い
🧬 病態
- 意図的に真皮に注入された不溶性の色素粒子(インク・炭素等)が沈着
- ターンオーバーがないため半永久的に停滞
- 色素の一部は真皮マクロファージに貪食されるが、細胞外にも残存
- 手彫り or タトゥーマシンで深度・密度が大きく異なる
『美容皮膚Q&A』Q8 / Q36 / 『Baumann』Ch26
💊 治療選択(色別対応表)
| 順位 | 治療法 | 作用機序 |
| 第一選択 | ピコ秒レーザー / Qスイッチレーザー 波長選択(黒・青=1064nm、赤=532nm等) | 色素粒子を光機械的作用(衝撃波・熱)で粉砕 → 貪食細胞排出 |
| 第二選択 | 外科的切除 | 入れ墨部の皮膚全体を切り取り、縫合 |
🚨 赤・黄色のインクは注意
- レーザー照射の熱刺激が引き金 → 全身性アレルギー反応・肉芽腫反応リスク
- 事前のパッチテスト、慎重な出力調整必須
🏥 レディアン院内対応マップ(3層フロー)
第一選択(教科書エビデンス)→ 院内で対応可か → 対応不可なら院内代替 or 他院紹介、の3層で正直に示す。
| 症状 / 病型 | 第一選択 | 院内可否 | 院内対応 or 代替/他院紹介 |
| 黒・濃色タトゥー | Qスイッチ/ピコ秒レーザー(Q&A本Q8, Q37) | ✅ ピコで対応可 | ピコスポット(波長選択)。多色・広範囲は複数回・難色あり要説明 |
⭐ カウンセラーへの重要指示
- 院内メニューを埋めるために効果の弱い治療を勧めない。第一選択を必ず先に伝える
- 院内未搭載の第一選択治療は正直に「院内では対応困難、他院ご案内も選択肢」と伝える
- 多色・広範囲タトゥーは複数回・難色があり得る点を正直に説明する。治療の適否はドクター判断
📅 治療経過
| 回数 | 通常 5〜10回以上(色・深さで増加) |
| 間隔 | 3ヶ月以上(色素排出を待つ) |
| ダウンタイム | 照射直後 Immediate Whitening → 1〜2週間 発赤・かさぶた・軽度水疱 |
| 効果実感 | 3〜4回目以降で色調薄化を実感 |
🚨 主な禁忌・要注意事項
- 赤・黄インクのアレルギーリスク:照射前パッチテスト推奨
- 色素脱失(白抜け)リスク:出力調整・段階照射で予防
- PIH(炎症後色素沈着):Asian skin では長引きやすい、遮光・HQ 外用併用
- 皮膚の質感の残存:色が抜けても入れ墨のシルエットが残る可能性を事前説明
- 妊娠中・授乳中:原則回避
- ケロイド体質:切除は特に慎重に
📚 出典
- 『患者からの質問に自信を持って答える美容皮膚Q&A』Q8, Q36, Q37
- 『Baumann's Cosmetic Dermatology』Chapter 26
- 『Plastic Surgery Vol 2』Chapter 8.4
- レディアン院内資料 18_ピコトーニング_ピコスポット / 46_ドクターズコスメ / 07_スキンマリア