ピコ秒レーザーは、パルス幅がピコ秒(1兆分の1秒)と極めて短いレーザーです。従来のQスイッチレーザー(ナノ秒)が主に「熱」で色素を壊すのに対し、ピコ秒は光音響効果(衝撃波に近い作用)で色素を細かく砕く割合が大きく、周囲の組織への熱ダメージを抑えつつメラニンやタトゥー色素を微細化します。砕かれた色素は体の代謝で排出されます。
| モード | 狙い | 対象 |
|---|---|---|
| ピコスポット | 色素を狙い撃ちで強く砕く | 濃い日光黒子(シミ)・ADM・太田母斑・タトゥー |
| ピコトーニング | 弱い出力を全体に重ねる | 肝斑・くすみ(※あくまで補助的位置づけ) |
| ピコフラクショナル | 点状(分割)に照射して肌に微細な刺激を与え、生まれ変わりを促す | 肌質・毛穴・ニキビ跡・小じわ(肝斑への応用は慎重) |
ピコフラクショナルは、専用レンズで光を点状に集めて照射し、色素を消すというより肌の再生を促して肌質・毛穴・ニキビ跡を底上げする使い方です。ダウンタイムが比較的軽いのが特長です。院内はフラクショナル系レーザー未搭載(確定)。肌質・毛穴・ニキビ跡は針RF(ポテンツァ/エリシスセンス)で対応
💡 濃いシミ:ルビー(Qスイッチ)とピコスポット、どっち?
どちらも濃い日光黒子に有効です。ざっくり言うと——
・Qスイッチルビー(694nm):メラニンへの吸収が高く古くから濃いシミに実績。ただし熱の作用が大きく、かさぶた(ダウンタイム)や照射後の色素沈着(PIH)が出やすめ。特に色黒・日焼け肌は注意
・ピコスポット:パルスがごく短く熱ダメージが少ないため、PIHやダウンタイムを抑えやすい。日本人の肌に選ばれやすい
院内はピコとQスイッチルビー(機種Q+R)の両方を搭載。シミの濃さ・肌質・PIHリスクに応じて医師が使い分けられます。日本人の濃い日光黒子ではPIHを抑えやすいピコスポットが基本になりやすいですが、最終的な適応は医師が診察して判断します。Qスイッチルビー=Q+R・導入済み(2026-07 SHO確認)
💡 濃い日光黒子のPIHを下げる実務(担当医師の臨床経験)
照射後の色素沈着(PIH)を抑えるための、時期・肌質・シミの状態の考え方です(臨床実感の層。適否は医師が判断)。
・紫外線が強い時期(夏など)は、いきなり強く当てずトーニングで足場を整えてからスポットに進む方が安全とされます
・もともと肌の色が濃い(日焼けしやすい)方はPIHが出やすいので、より慎重に
・シミ本体と周りの肌の色の差がはっきりしている(濃淡のコントラストが高い)ほど狙い撃ちしやすく、PIHリスクは低い。逆に境界が曖昧・周囲も色ムラだとリスクは上がる
→ これらを踏まえ、時期・肌質・シミの状態を見て医師が照射計画を立てます。
| 相談 | 第一選択(出典付き) | 院内可否 | 院内対応 or 代替・紹介 |
|---|---|---|---|
| 濃いシミ(日光黒子・単発) | Qスイッチ / ピコ秒レーザー照射 原典Q3・Q37 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット(5,500円〜/1か所)。照射後のPIH予防に外用ハイドロキノンを併用 |
| 肝斑 | 外用HQ+トラネキサム酸内服+遮光が土台 原典Q5・Q48/49 |
△ トーニングは補助 | まず外用・内服・遮光。ピコトーニングは補助的に。強い出力は肝斑を悪化させうるので土台治療を優先 |
| ADM・太田母斑(青あざ系) | Qスイッチ / ピコ秒レーザー 原典Q13・Q14 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット。複数回・長期を要する旨を説明。保険適用の可能性は保険皮膚科の案内も選択肢 |
| タトゥー | Qスイッチ / ピコ秒レーザー 原典Q8・Q37 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット(波長選択)。多色・広範囲は複数回・難色ありを正直に説明 |
・「濃いシミには、ピコ秒レーザーで色素を細かく砕く方法があります。どのシミにどの治療が向くかは、医師が診察して判断します」
・「肝斑は、まず塗り薬・飲み薬・日焼け対策が土台になります。レーザー(トーニング)は補助的に使うもので、強く当てるとかえって悪化することがあるとされています」
・「タトゥーは色や範囲によって回数や消えやすさが変わります。詳しくは医師にご相談ください」
| ピコとQスイッチの違いは? | パルスがより短く、熱より衝撃波で色素を細かく砕くため、ダウンタイムや色素沈着リスクを抑えやすいとされます(機種・設定による) |
| 何回で消えますか? | シミの種類・濃さで異なります。回数は医師が診て説明します。具体回数は個別・要ドクター確認 |
| ダウンタイムは? | スポットはかさぶた、トーニングは軽い赤みが一般的。程度は個人差があります |
Q35 レーザーとは / Q36 Qスイッチレーザー / Q3 日光黒子 / Q13 太田母斑 / Q14 ADM / Q8 入れ墨