ニキビ(Acne vulgaris)は、毛包漏斗部の角化亢進で毛穴に「フタ」ができ、皮脂を栄養にしたアクネ菌(C. acnes)が増殖して炎症を起こす、毛包皮脂腺の慢性炎症性疾患。思春期〜青年期に好発。4大因子:ホルモン・皮脂・毛穴閉塞・アクネ菌増殖で理解する。
💡 ひとことで言うと
ニキビは「肌が現在進行形でお怪我している状態」。順序はこう:
① 男性ホルモンで皮脂工場(皮脂腺)がフル稼働
② 毛穴に「角質のフタ」ができて皮脂が閉じ込められる
③ その中でアブラ大好きなアクネ菌が大繁殖して暴走
④ 毛穴の壁が壊れて炎症(赤み・膿)が広がる
赤ニキビや黄ニキビを放置=深いところの怪我が広がる=将来のクレーター(ニキビ痕)確定。だから「早く炎症を鎮火」が最優先。
📖 用語メモ
Figure 23-1: 皮脂腺ユニットの解剖と、アクネ菌による炎症誘発機序
出典:『Baumann's Cosmetic Dermatology』Chapter 23 Figure 23-1
| 因子 | 内容 |
|---|---|
| ① ホルモン | 思春期のアンドロゲン分泌亢進 → 皮脂腺を刺激 |
| ② 皮脂分泌亢進 | 皮脂腺から皮脂が過剰分泌 |
| ③ 毛穴閉塞(角化異常) | 毛包漏斗部の角化亢進 → 面ぽう形成 |
| ④ アクネ菌増殖・炎症 | 嫌気性・好脂性の C. acnes が皮脂を栄養に増殖 → ポルフィリン/リパーゼ産生 → 毛包壁破壊 → 好中球・リンパ球集積 → 赤み・膿 |
Figure 23-2: 微小面ぽうから硬結・結節までの病態変化
出典:『Baumann's Cosmetic Dermatology』Chapter 23 Figure 23-2
| ステージ | 色調 | 特徴 |
|---|---|---|
| 面ぽう(コメド) | 白 / 黒 | 閉鎖面ぽう=白ニキビ / 開放面ぽう=黒ニキビ(皮脂酸化) |
| 炎症性丘疹 | 赤 | アクネ菌増殖で軽度炎症、赤く盛り上がる(赤ニキビ) |
| 膿疱 | 黄 | 頂部に黄色の膿(黄ニキビ) |
| 硬結・結節性病変 | 紫 | 真皮深層まで炎症、硬く痛み(紫ニキビ・嚢腫)→ ニキビ痕になりやすい |
| 酒さ(Rosacea) | 顔面中央部の潮紅・毛細血管拡張、コメドを伴わない |
| 口周皮膚炎 | 口周りの丘疹、ステロイド外用不適切使用が関与、面ぽうなし |
| マラセチア毛包炎 | 真菌(マラセチア)による毛包炎。均一な小丘疹、面ぽうなし |
| 老人性脂腺増殖症 | 中年以降、黄〜白色の数mmの臍窩を伴う丘疹 |