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Q27 / 医師用リファレンス v2疾患・病態編・AGA

壮年性脱毛症(AGA)にはどんな治療がありますか?

レディアンクリニック / 2026年7月12日

⚖️ 法的事実:脱毛症の診断・薬剤の処方は医師の業務(医師法第17条)。カウンセラーは診断・断定不可。本リファレンスは院内共有用の医学的知識。

⚡ 30秒早見

AGAの標準治療は内服薬
フィナステリド 1mg/日(II型5α-還元酵素を阻害)
デュタステリド 0.5mg/日(I型+II型を阻害、やや効果が上)
③補助にミノキシジル外用(OTC・クリニックでは処方不可)
効果実感まで数ヶ月〜1年。レディアンではAGA内服の処方はありません → AGA専門クリニック/皮膚科へご案内します。

💡 ひとことで言うと

AGAは「男性ホルモンが毛の成長期を短くして、髪が細く・短くなる」状態。
フィナステリド/デュタステリド=DHT(強い男性ホルモン)が作られるのをブロック
ミノキシジル外用=毛の根元の血流・成長因子を刺激(別のしくみ)
第一選択は日本皮膚科学会ガイドラインに沿った内服。院内に該当薬がないため、当院で完結できない治療である点を正直にお伝えします。

📖 用語メモ

🔬 病態(原因・好発・臨床像)

AGAでは、毛周期のうち成長期が短縮し、毛髪の軟毛化(細く短い毛への置き換わり)が起こります。この軟毛化は頭頂部と前頭部に生じます。

原因は男性ホルモンの働きです。テストステロンが5α-還元酵素によって、より強力なDHT(ジヒドロテストステロン)に変換され、これが毛の成長期を短くします。フィナステリドはII型、デュタステリドはI型+II型の5α-還元酵素を阻害して、この変換を抑えます。

出典:『美容皮膚Q&A』Q27(乾重樹)

🩺 医師用補足(機序・薬理の深掘り)

薬理と管理のポイント

5α-還元酵素アイソザイム:フィナステリド=II型選択的阻害。デュタステリド=I型+II型の二重阻害で血中DHT抑制率がより高い。臨床エンドポイント(毛髪数・毛直径・前頭部毛量増加)でデュタステリドが優位との報告。
ミノキシジル:毛乳頭細胞からのVEGF産生刺激で血管新生・成長期延長。男性ホルモン経路には非依存のため、5α-還元酵素阻害薬と作用機序が独立=併用でアプローチが重複しない。
PSA補正:フィナステリド/デュタステリド内服中は血中PSAが約1/2に低下 → 前立腺癌スクリーニング時は実測値を約2倍に換算して評価。泌尿器科受診時の内服申告を患者に徹底。
性機能障害と Nocebo:頻度は低く、思い込み(Nocebo)効果を含む。用量(fin 1mg / duta 0.5mg)では性機能を担うテストステロンは低下せず、ホルモン学的には機能障害は生じにくい。
デュタステリドと妊孕性:精子数が約30%減少との報告 → 挙児希望男性ではフィナステリドを選択、あるいは休薬を検討。
エビデンス階層:日本皮膚科学会「男性型・女性型脱毛症診療ガイドライン」推奨。エビデンスの乏しい治療に患者を走らせないため、標準治療の優位を最初に明言するのが原典の姿勢。

出典:『美容皮膚Q&A』Q27(乾重樹)/日本皮膚科学会診療ガイドライン

🔎 鑑別(薄毛にはいろいろな種類があります)

薄毛・抜け毛はAGAだけではありません。円形脱毛症(自己免疫機序、境界明瞭な円形脱毛)、休止期脱毛(分娩後・急性ストレス・全体的なびまん性)、女性型脱毛(FPHL)、瘢痕性脱毛、甲状腺機能異常・鉄欠乏など全身要因によるもの——などを鑑別します。確定は医師の診察・必要に応じた検査で行います。

⚠️ カウンセラーは診断しない

鑑別の個別疾患は原典Q27に詳細記載なし・一般的な脱毛鑑別として記載。確定は診察による。

💊 治療選択(第一選択→補助)

順位治療作用機序ポイント
第一選択フィナステリド 1mg/日(内服)II型5α-還元酵素を阻害→DHT産生を抑制日本皮膚科学会ガイドラインに基づく標準治療
第一選択デュタステリド 0.5mg/日(内服)I型+II型5α-還元酵素を阻害→DHT産生を抑制毛髪数・毛直径・前頭部毛量でフィナステリドより優れるが、精子数が約30%減少との報告。挙児希望があれば避けたほうがよい
補助ミノキシジル 5%外用(OTC・1日2回)毛乳頭細胞からVEGF産生を刺激。男性ホルモンの作用には影響しない市販薬(OTC)。クリニックでは処方できない
出典:『美容皮膚Q&A』Q27(乾重樹)/日本皮膚科学会 男性型・女性型脱毛症診療ガイドライン

エビデンスの乏しい治療や安全性が確立していない治療に走らないよう、確かなエビデンスに基づき皮膚科専門医が標準的に行う治療こそが最適である、とまずお伝えするのが原典の推奨です。

💊 女性型(FAGA / FPHL)の内服(医師用詳細)

女性は男性と機序・薬剤が異なる。フィナステリド/デュタステリドは妊娠可能年齢の女性に原則禁忌(男児胎児の外性器形成異常)。主軸は抗アンドロゲン+発毛促進。全て診断・処方は医師、妊娠可能性の確認が必須。

薬剤位置づけ用量の目安承認主な注意
スピロノラクトン抗アンドロゲンの主力25〜100mg/日(低用量から漸増)適応外高K血症(腎機能低下注意)・月経不順・妊娠中禁忌
低用量ミノキシジル内服(LDOM)発毛促進0.25〜1.25mg/日適応外多毛・浮腫・動悸・起立性低血圧。心疾患は慎重
ミノキシジル外用第一選択(土台)1〜5%連日OTC(院内処方不可)妊娠・授乳中は中止が原則
鉄・亜鉛補充欠乏の是正検査値に応じて承認フェリチン/亜鉛低値時のみ
出典:院内資料「FAGA内服整理」(drafts/faga_trt/faga_oral_meds.md)/日皮会 男性型・女性型脱毛症GL。⭐院内採用薬・適応外同意の整備はドクター/院確定

🏥 レディアン院内対応(第一選択→院内可否→代替/紹介)

病型 / 相談第一選択(出典付き)院内可否院内対応 or 代替・紹介
男性型AGA フィナステリド1mg or デュタステリド0.5mg 内服
原典Q27/日皮会GL
🔜 近々院内導入予定 AGA内服を院内で導入準備中。採用薬(フィナ/デュタ/ミノキ内服等)・料金はメニュー確定後に更新。急ぐ症例はAGA専門/皮膚科も選択肢
⭐導入時期・採用薬はドクター確定
ミノキシジル外用希望 OTC 5%ミノキシジル外用
原典Q27
院内処方不可(原典に明記) 市販薬(ドラッグストア)または AGAクリニックへ
女性の薄毛(女性型・FPHL) 男性型とは機序・薬剤が異なる。フィナステリド/デュタステリドは妊娠可能な女性に禁忌 院内未対応 皮膚科 / 女性の薄毛に対応する専門クリニックへ。要ドクター確認
頭皮の育毛サポート(補助希望) —(標準治療ではない) エクソソーム肌育注射(頭皮)あり 院内資料上「頭皮への注入で育毛・発毛効果が期待できる」と記載。ただし内服という標準治療の代わりにはならない補助的選択肢で、エビデンスの層が異なる旨を必ず添える。要ドクター確認
出典:処方箋メニュー(47_内服一覧)=AGA内服の掲載なしを確認/エクソソーム=28_肌育注射

💡 現場の伝え方(正直に)

「AGAのお薬(フィナステリドなど)の内服は当院では行っていません。標準治療をご希望の場合はAGA専門クリニックや皮膚科が確実です。当院には頭皮のエクソソーム注射という補助的なメニューはありますが、これはお薬の代わりになるものではなく、詳しくは医師にご相談ください。」

📅 治療経過の目安

抜け毛の減少に気づくおおよそ2〜3ヶ月(個人差あり)
毛量の増加を感じるおおよそ6ヶ月〜1年(個人差あり)
初期脱毛開始後に一時的に抜け毛が増えることがある。新しい成長期毛が出る「初期"発毛"」ともいえる正常経過
出典:『美容皮膚Q&A』Q27(乾重樹)

効果には個人差があり、「必ず生える」「確実」といった断定・保証はできません。効果を実感するには継続が必要である点をお伝えします。

🚨 禁忌・要注意

絶対禁忌・要注意

出典:『美容皮膚Q&A』Q27(乾重樹)/各薬剤 医薬品添付文書

📚 出典