Qスイッチレーザーは、パルス幅がナノ秒(10億分の1秒)と非常に短いレーザーです。メラニン色素に瞬間的に強いエネルギーを与え、主に熱の作用で色素を破壊します。破壊された色素は体の代謝(マクロファージによる貪食・排出)で徐々に消えていきます。波長によってメラニンへの吸収の強さや届く深さが異なり、表皮の浅い色素にはルビー(694nm)やアレキサンドライト(755nm)、より深い真皮の色素にはNd:YAG(1064nm)が使われるのが教科書的な考え方です。
| 代表波長 | メラニン吸収 | 主な対象 |
|---|---|---|
| ルビー(694nm) | 非常に高い | 日光黒子・雀卵斑・表皮の色素性病変 |
| アレキサンドライト(755nm) | 高い | 日光黒子・タトゥー(黒・青系) |
| Nd:YAG(1064nm) | 中程度(深部まで届く) | 太田母斑・ADM等の真皮色素、低フルエンスでの肝斑トーニング |
| Nd:YAG(532nm) | 高い(表皮向き) | タトゥー(赤系)、表皮色素 |
💡 Qスイッチとピコ秒、どっちがいい?
どちらも濃い日光黒子・ADM・太田母斑に有効とされます。ざっくり言うと——
・Qスイッチ(ナノ秒):メラニンへの吸収が高く古くから実績があるレーザー。ただし熱の作用が大きく、かさぶた(ダウンタイム)や照射後の色素沈着(PIH)が出やすめ。特に色黒・日焼け肌は注意
・ピコ秒:パルスがごく短く、熱よりも衝撃波(光音響効果)で色素を細かく砕くためPIHやダウンタイムを抑えやすいとされます
院内はピコ秒レーザーとQスイッチルビー(機種Q+R)の両方を搭載しています。色素の濃さ・深さ・肌質に応じて医師が使い分けられます。最終的な適応は医師が診察して判断します。Qスイッチルビー=Q+R・導入済み(2026-07 SHO確認)
| 相談 | 第一選択(出典付き) | 院内可否 | 院内対応 or 代替・紹介 |
|---|---|---|---|
| 濃い日光黒子(単発・濃い) | Qスイッチ(ルビー等)/ピコ秒レーザー照射 原典Q3・Q36 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット(5,500円〜/1か所)。Qスイッチルビー(694nm・機種Q+R)導入済み。照射後のPIH予防に外用ハイドロキノンを併用 |
| ADM・太田母斑(青あざ系) | Qスイッチ/ピコ秒レーザー 原典Q13・Q14 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット。複数回・長期を要する旨を説明。保険適用の可能性は保険皮膚科の案内も選択肢 |
| タトゥー | Qスイッチ/ピコ秒レーザー 原典Q8・Q36 |
✅ ピコで対応可 | ピコスポット(波長選択)。多色・広範囲は複数回・難色ありを正直に説明 |
| 肝斑(レーザートーニング) | 外用HQ+トラネキサム酸内服+遮光が土台。低フルエンスQスイッチNd:YAGトーニングは補助 原典Q5・Q36 |
△ トーニングは補助(院内資料にQスイッチNd:YAG機の明記なし) | 院内第一選択=スキンマリア内服+外用HQ+遮光(院内価格=約4,400円(税込・お得な主力内服))。補助としてピコトーニングで代替。強い出力は肝斑を悪化させうるので土台治療を優先 |
・「濃いシミには、レーザーで色素を壊して取る方法があります。当院はピコ秒レーザーを中心にご案内していて、ルビーレーザーは導入準備を進めています。どのシミにどの治療が向くかは医師が診察して判断します」
・「生まれつきの青いあざには、複数回・長期の照射が必要になることが多いです。詳しい回数の見通しは医師にご相談ください」
・「肝斑のレーザートーニングは、あくまで塗り薬・飲み薬・日焼け対策という土台があってこそ補助的に効くものです。まずは土台からご案内します」
| Qスイッチとピコ秒はどちらが効きますか? | どちらも有効とされますが、Qスイッチは熱作用が大きくダウンタイムが出やすい傾向、ピコ秒は熱ダメージを抑えやすい傾向とされます。実際の選択は肌質・シミの状態を見て医師が判断します |
| 何回で消えますか? | シミやあざの種類・濃さで異なります。回数は医師が診て説明します具体回数は個別・要ドクター確認 |
| 肝斑にレーザートーニングは効きますか? | 教科書的には外用・内服・遮光が土台で、トーニングは補助という位置づけです。強く当てすぎるとかえって悪化することがあるとされます |
Q35 レーザーとは / Q37 ピコ秒レーザー / Q3 日光黒子 / Q5 肝斑 / Q13 太田母斑 / Q14 ADM / Q8 入れ墨