炭酸ガスレーザーは、水分に強く吸収される波長(10,600nm)を持ち、皮膚組織中の水分を瞬時に蒸発させることで組織を層状に蒸散・除去します。盛り上がったほくろ(色素性母斑)や脂漏性角化症、軟性線維腫、老人性脂腺増殖症などの良性のできものに対して、整容目的で用いられる代表的な機器です。同様の「焼いて除去する」効果を持つ機器として高周波電気メスがあり、レーザーは光エネルギー、電気メスは高周波電流という発生源の違いはありますが、どちらも組織を蒸散・凝固させて除去する点は共通しています。
| 方式 | エネルギー源 | 特徴 | 院内 |
|---|---|---|---|
| CO2レーザー | 光(波長10,600nm) | 照射深度のコントロールがしやすいとされる | ❌ 実機なし |
| 高周波電気メス | 高周波電流 | 止血性に優れる。ペースメーカー・ICD装着者は絶対禁忌 | ✅ くり抜き法(直径5mm以下)搭載 |
いずれの方式も母斑細胞・病変組織が深部に残れば再発しうる点、病理検査ができなくなる点は共通の限界です。「レーザーだから跡が残らない」「一度で完全に消える」と単純化して伝えないことが重要です。
| 相談 | 第一選択(出典付き) | 院内可否 | 院内対応 or 代替・紹介 |
|---|---|---|---|
| 5mm以下・良性確定・整容目的(ほくろ・脂漏性角化症等) | CO2レーザーまたは高周波電気メスによる蒸散・くり抜き 原典Q29〜Q33・Q40 |
△ CO2レーザー未搭載/電気メスは対応可 | まず医師のダーモスコピー診察で良性確認が絶対条件。確認後に電気メスくり抜き法(1mmまで5,500円/2〜3mm 8,800円/4〜5mm 13,200円) |
| 母斑を完全に取りたい/5mm超/病理を希望 | 外科的切除(+病理) 原典Q31 |
❌ 切除・病理なし | 切除と病理が可能な医療機関へ紹介。電気メスでは深部が残り不完全になりうる旨を説明 |
| ABCDE該当・急に大きくなった・色ムラのある病変 | ダーモスコピー→必要時切除生検 原典Q31 |
診断・生検不可 | 施術対象にしない・絶対に焼かない。医師診察→ダーモスコピー→必要なら専門病院(皮膚科・皮膚腫瘍)で生検を最優先で案内 |
・「ほくろ・イボの除去には、レーザーで削る方法と高周波の機器で削る方法があります。当院はCO2レーザーの機械はありませんが、高周波の機器(電気メス)でのくり抜きに対応しています」
・「気になるできものは、まず医師が診察して良性かどうかを確認してから、除去できるかをご案内します」
・「大きさや形によっては、当院の設備では対応が難しく、他の医療機関をご案内することもあります」
| CO2レーザーはここにありますか? | CO2レーザー本体は院内にありません。同じ目的(除去)で高周波電気メスによるくり抜き法をご案内しています |
| 跡は残りますか? | 直後は擦り傷のような凹みができ、1〜2週間で上皮化します。赤みが2〜6ヶ月続いたり、一時的な色素沈着が出ることがあります |
| 1回で完全に取れますか? | 大きさ・深さにより、深部が残ると再発することがあります。回数や見込みは医師が診て説明します |
Q29 疣贅 / Q30 脂漏性角化症 / Q31 ほくろ / Q32 汗管腫 / Q33 老人性脂腺増殖症