フラクショナルフォトサーモリシスは、皮膚全面ではなく微小な柱状領域(MTZ)に限局してエネルギーを付与する概念(Manstein et al. 2004)。アブレイティブ型はMTZ内の組織を蒸散させ、周囲に熱変性層(残存熱損傷層)を形成しつつ表皮再生と真皮コラーゲン産生を誘導する。ノンアブレイティブ型は角層・表皮を破壊せずMTZ内に熱変性巣のみを作り、創傷治癒カスケードを介して緩徐にコラーゲンリモデリングを進める。アブレイティブはダウンタイム・有効性とも大きく、ノンアブレイティブはマイルドで低侵襲、という trade-off がある。
| 軸 | アブレイティブ(CO2/Er:YAG) | ノンアブレイティブ(Er:Glass等) |
|---|---|---|
| 組織への作用 | MTZ内を蒸散(組織欠損を形成) | 蒸散なし・熱変性のみ |
| 有効性 | 強い(瘢痕・深いしわに有利) | マイルド・複数回を要する |
| ダウンタイム | 数日〜1週間程度の発赤・浸出・かさぶた | 数時間〜1日程度の紅斑 |
| Asian skinでのPIHリスク | 相対的に高い | 相対的に低い |
| 院内 | 未搭載 | 未搭載 |
Fitzpatrick III〜IV中心の日本人では、アブレイティブ型フラクショナルはPIHが必発に近いとする報告もあり、ノンアブレイティブが選ばれやすい傾向がある(Q26参照)。ただし瘢痕の深さ・型によってはアブレイティブの適応が上回る場合もあり、最終判断は医師が症例ごとに行う。
| 方式 | エネルギー | 主な適応 | 院内 |
|---|---|---|---|
| フラクショナルレーザー(アブレイティブ/ノンアブレイティブ) | 光 | ボックスカー型瘢痕・毛穴・小じわ・肌質全般 | ❌ 実機なし |
| ピコフラクショナル | ピコ秒レーザー(LIOB=光誘起光学的破壊) | 肌質・毛穴・瘢痕・小じわ(低侵襲) | ⭐ 提供可否は要確認(Q37参照) |
| 針RF(マイクロニードルRF) | マイクロ針+高周波(真皮選択的加熱) | 毛穴・ニキビ跡・肝斑・赤み・ハリ | ✅ ポテンツァ/エリシスセンス搭載 |
| マイクロニードリング(RFなし) | マイクロ針のみ(機械的創傷治癒) | ニキビ跡・シワ・たるみ | ✅ ダーマペン4搭載 |
針RFは表皮をほぼ介さず真皮へ選択的に熱エネルギーを送るため、フラクショナルレーザーよりも表皮ダメージ・PIHリスクを抑えやすいという臨床上の位置づけがある(臨床実感の層。教科書上のエビデンス等級はレーザーが上位)。院内ではこの特性を踏まえ、フラクショナルレーザー非搭載を針RFで補う運用としている。
| 相談 | 第一選択(出典付き) | 院内可否 | 院内対応 or 代替・紹介 |
|---|---|---|---|
| ニキビ痕(浅い凹み・ボックスカー型)・毛穴・肌質 | フラクショナルレーザー(原典Q26・Q39) | ❌ 未搭載 | 針RF(ポテンツァ/エリシスセンス)またはダーマペン4 |
| ニキビ痕(深いローリング型) | サブシジョン(原典Q26) | ✅ 対応可 | サブシジョン。⭐イソトレチノイン内服中/終了後6ヶ月は絶対禁忌 |
| 小じわ・肌質全般 | フラクショナルレーザー/外用レチノイド(原典Q17・Q39) | △ レーザー未搭載/外用対応可 | トレチノイン外用+針RF。ピーリング併用 |
Q35 レーザーとは / Q37 ピコ秒レーザー / Q26 ニキビ痕 / Q17 シワ治療