⚖️ 最初に、いちばん大事なこと。
「これは何のシミか」を決めるのは医師の仕事です。医師法という法律の17条で、そう決まっています。
カウンセラーが種類を決めると法律違反になります。この教材は、決めるためではなく「知っておく」ためのものです。
⚡ 30秒でわかる まとめ
シミは1つの病気ではありません。原因も、できる場所も、治療法も違う5つのグループがあります。
だから「シミだからレーザー」は間違いです。とくに肝斑という種類は、強い光を当てるとかえって濃くなります。
カウンセラーの仕事は、医師の診察につなぐこと。判断するのは医師です。
👁 シミの5つのタイプ
シミは大きく5つのグループに分けられます。それぞれ「何が原因でできるか」「どこにできるか」「どう治療するか」が違います。
くわしくは、それぞれのQ(章)にあります。ここでは「5つある」ということと、「肝斑だけは別扱い」ということを覚えてください。
💡 ひとことで言うと
シミは「1つの病気」ではなく、原因も、できる場所も、治療法も違う5つのグループがあります。
「シミがあるからレーザー」と一まとめに考えると、かえって悪化させることがあります(とくに肝斑)。
だからカウンセラーの仕事は、「これはどのタイプだろう?」と医師の診察につなぐこと。判断するのは医師です。
📖 覚えておきたい 5つの用語
この5つの意味がわかれば、Q1は十分です
- メラニン = 肌の色を作る茶色い色素。日焼けで黒くなるのも、これが増えるから。メラニンが過剰に増えて溜まった状態がシミです。
- メラノサイト = メラニンを作る細胞。「メラニン工場」だと考えてください。工場が増えるタイプと、工場が暴走するタイプがある — これがシミの種類が分かれる理由です。
- 表皮 と 真皮 = 表皮は「肌のいちばん上の壁紙」、真皮は「その下の土台」。シミがどちらの層にあるかで、治療法も、治りやすさも変わります(深いほど手強い)。
- 色素沈着(PIH) = 炎症(肌が赤く荒れること)の後に、茶色く残ってしまうこと。ニキビの跡、レーザーの跡がこれです。
- ダーモスコピー = 肌を拡大して観察する検査用の器具。医師がシミの種類を見分けるときに使います。
肌診断機(Visia)について
目で見ただけではわからない紫外線のダメージや、隠れたシミを撮影できる機械です。
ただし、撮れた画像を見て「これは○○というシミです」と判断できるのは医師だけです。
カウンセラーは、この画像を「医師の診察を受けましょう」と案内するための道具として使ってください。
⚠️ シミ全体に共通する 3つの大原則
この3つは、かならず覚えてください
- ① 1人の顔に、いくつものタイプが混ざっていることが多い
同じ顔の中に「日光黒子+肝斑+PIH」が同時に存在するのは、めずらしいことではありません。
だから、見た目だけで「これは○○のシミ」と1つに決めつけられないのです。
- ② 肝斑が混ざっているのに強い光を当てると、悪化する
強いレーザーやIPL(光を使う治療)を肝斑に当てると、かえって色が濃くなります。これは教科書にもはっきり書かれている、確立した事実です。
①と②を合わせると — 「シミ取りレーザーをやりましょう」とカウンセラーが先に勧めてはいけない理由が見えてきます。その患者さんに肝斑が隠れているかどうか、カウンセラーには判断できないからです。
- ③ 「どのタイプか」の判断は、医師にしかできない
目で見るだけでなく、ダーモスコピーでの観察や、組織を調べる検査が必要になることもあります。これは医師法17条で医師だけが行える医療行為と決められています。
だから、こう言いましょう
× 「これはシミですね。レーザーで取れますよ」
→ 種類を判断してしまっている。医師の仕事を取ってしまっています。
○ 「お顔の色のことでお悩みなんですね。シミにもいくつか種類があって、種類によって合う治療が違うんです。まず医師が拝見しますね」
→ 「種類がある」+「だから医師が診る」をセットで言うのがコツ。
○(「レーザーで全部消えますよね?」と言われたら)
「種類によっては、逆に濃くなってしまうものもあるんです。だから先に医師が確認させてください」
→ 期待を否定するのではなく、理由を添えて診察に誘導する。
🚨 要注意の患者さん — 問診で必ず確認する
次に当てはまる患者さんは、シミの治療全体について医師が「実施してよいか」を先に判断します。
カウンセラーの仕事は、問診(最初の聞き取り)でこれを漏らさず聞き、医師に伝えることです。
自分で「大丈夫です」と判断してはいけません。
かならず確認して、医師に伝えること
- 妊娠中・授乳中
塗り薬も飲み薬も施術も、制限されるものが多くなります
- これまでにかかった病気(既往歴)
皮膚の病気、甲状腺の病気、免疫の病気など
- いつも飲んでいる薬
とくに、光に過敏になる薬/血を固まりにくくする薬/ピル(経口避妊薬)
- 過去にレーザーで問題が起きたことがある
色が濃くなった/水ぶくれができた/傷跡が残った/白く色が抜けた など
- 金属アレルギー / ケロイド体質
ケロイド体質=傷が盛り上がって残りやすい体質のこと
- 未成年
適応(その治療が合っているか)の判断と、保護者の同意が必要です
- 今、肌に感染症がある
ヘルペス、水いぼ(伝染性軟属腫)など
📌 迷ったときの、たった1つのルール
「これは言っていいのかな?」と迷ったら、言わずに医師に確認する。
カウンセラーが判断して間違えると、患者さんの肌が取り返しのつかないことになります。
確認することは、恥ずかしいことではありません。確認しないほうが危険です。
✏️ 章末テスト(全5問)
まず自分で考えてから、「答えを見る」を押してください。
1シミは、いくつのグループに分けられますか?
A. 2つ B. 5つ C. 10種類以上
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こたえ:B. 5つ
日光黒子/雀卵斑(そばかす)/肝斑/ADM/PIH の5つです。
それぞれ原因も治療法も違います。だから「シミ=レーザー」ではありません。
2強い光(レーザーやIPL)を当てると、かえって悪化するシミはどれですか?
A. 日光黒子 B. 肝斑 C. そばかす
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こたえ:B. 肝斑
肝斑に強い光を当てると、色が濃くなります。教科書にもはっきり書かれた確立した事実です。
しかも肝斑は、他のシミと混ざって存在していることが多いのが厄介なところです。
これが「カウンセラーがシミ取りを先に勧めてはいけない」いちばんの理由です。
3患者さんに「このシミ、レーザーで取れますか?」と聞かれました。カウンセラーとして正しい返答はどれですか?
A. 「はい、これは日光黒子なので1回で取れますよ」
B. 「シミにも種類があって、合う治療が違うんです。まず医師が拝見しますね」
C. 「たぶん大丈夫だと思います」
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こたえ:B
A は種類を判断してしまっているので、医師法17条に触れます。しかも「1回で取れる」と結果まで約束しています。
C は「たぶん」で曖昧にしているだけで、結局は大丈夫だと保証してしまっているので、同じくアウトです。
B のように、「種類がある」+「だから医師が診る」をセットで伝えるのが正解です。
4問診で「妊娠中です」と言われました。どうしますか?
A. 「シミ治療には関係ないので大丈夫ですよ」と伝える
B. その場では判断せず、医師に伝える
C. とりあえず予約だけ取っておく
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こたえ:B
妊娠中・授乳中は、塗り薬も飲み薬も施術も、制限されるものが多くなります。
ただし「できる/できない」を決めるのは医師です。カウンセラーの仕事は、漏らさず聞いて伝えること。
C のように「とりあえず予約」にすると、当日キャンセルになり、患者さんに迷惑がかかります。
51人の顔に、何種類ものシミが混ざって存在することは…
A. ほとんどない B. めずらしくない(よくある) C. 絶対にない
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こたえ:B. めずらしくない
「日光黒子+肝斑+PIH」が同じ顔に同時に存在することは、よくあります。
だから「見た目だけで1つに決めつけない」ことが大事です。
とくに、肝斑が混ざっていることに気づかず強い光を当ててしまうのが、いちばん危険な失敗です。