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Q1 / 医師用リファレンス版 概念整理・各論はQ3-Q7へ

シミにはどんな種類がありますか?

レディアンクリニック / 2026年6月29日 — 概念地図(病態の医学的背景+各論Qへの導線)

📌 このリファレンス版の目的

院長・チーフカウンセラー・医師がカウンセラーに「シミの世界の地図」を教える時の概念整理資料。Q1 は入り口で、各タイプの病態詳細・治療選択・症例画像は Q3〜Q7・Q14 の doctor版へ。

📋 学習目標

カウンセラーが Q1 を学習し終わった時点で:

🧬 医学的背景:シミとは何か

シミ(pigmentation)= 皮膚の限局した部分の色素沈着増加。光老化の一部として現れる色素不均一。

3大分類(病態生理)

  1. 表皮細胞の異常(日光黒子・雀卵斑)
  2. 色素細胞の異常(肝斑、ADM=Q14のアザ系)
  3. 炎症性の生体反応(PIH)

『美容皮膚Q&A』Q1 / 『Plastic Surgery Vol 2』Chapter 8.4 / 『Baumann's』Chapter 20

共通する解剖・生理前提

🔬 メラニン産生のしくみ:Epidermal-melanin unit

メラノサイト1個 → 樹状突起 → 約30〜40個のケラチノサイトにメラノソームを供給。この機能ユニットを Epidermal-melanin unit と呼ぶ。

💡 ひとことで言うと

メラニンを作る工場(メラノサイト)1つに対して、それを受け取るお客さん(ケラチノサイト)が30〜40軒あるという関係。
工場が突起(腕)を伸ばして、隣近所のお客さんに「メラニン入り小包(メラノソーム)」を配ってる。
だからメラノサイトの数を減らさなくても、「配送を減らす」「作り方を変える」だけでシミは薄くなる(=外用・内服で狙う方針の理屈)。

📖 用語メモ

Epidermal-melanin unit

Figure 20-2: Epidermal-melanin unit

出典:『Baumann's Cosmetic Dermatology 3rd Edition』Chapter 20 / Figure 20-2

💡 カウンセラー教育のキー概念:治療3択

色素沈着治療の本質は以下の3択。この概念が分かるとカウンセラーが「なぜこの治療か」を説明しやすい:

  1. メラノサイトの過活動を抑える(内服・外用)
  2. すでにできたメラニンを除去する(レーザー)
  3. ターンオーバーで排出する(ピーリング)

🔍 シミ5タイプ概要(詳細は各Qへ)

シミ5タイプ比較表

表1: シミの種類 — 発生部位・色調・発症時期

出典:『美容皮膚Q&A』Q1 表1

色ムラ(Pigmented skin type)— 複数タイプ混在の典型例

色ムラA

Figure 10-11 (A)

色ムラB

Figure 10-11 (B)

出典:『Baumann's Cosmetic Dermatology』Chapter 10 Figure 10-11

肌診断機(Visia)— UV/brown spots の可視化

Visia

Figure 14-3: Visia による肌解析画像

出典:『Baumann's Cosmetic Dermatology』Chapter 14 Figure 14-3

① 日光黒子(老人性色素斑 / Lentigines)
慢性UV曝露 → 表皮基底層メラニン沈着。30代以降の露光部。境界明瞭な淡〜濃褐色。
② 雀卵斑(Freckles / Ephelides)
遺伝性(MC1R 多型)。色素細胞数不変、大型化してメラニン産生亢進。幼少〜思春期、両頬〜鼻。
③ 肝斑(Melasma)⚠️ 治療慎重
女性ホルモン・摩擦で表皮メラノサイトが異常活性化。30〜40代女性、両頬左右対称(目下を避ける)、境界ぼんやり。
④ ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
本来存在しない真皮層にメラノサイトが活性化。20代以降、両頬・額に褐色〜青灰色の集簇斑。※ 教科書分類上は「アザ」だが、臨床的にシミと紛れるため Q1 で言及。
⑤ 炎症後色素沈着(PIH: Post-Inflammatory Hyperpigmentation)
ニキビ・皮膚炎の炎症 → メラノサイト活性化 → メラニン過剰産生。全年齢、炎症が起きた部位。

🔬 Fitzpatrick Skin Type(PIHリスク評価)

レーザー後のPIHリスクを予測する重要指標。Type が濃いほどリスク高。

Type I
常に赤く
焼けない
Type II
通常赤く
わずか焼く
Type III
時々赤く
徐々焼く
Type IV
めったに赤
よく焼く
Type V
めったに赤
かなり焼く
Type VI
焼けない
常に黒

日本人の多くは Type III〜IV。レーザー後 PIH リスク中〜高なので事前説明とアフターケア徹底が必須。East Asian skin 特有のリスク論は Q35 レーザー総論 参照。

『Plastic Surgery Vol 2』Chapter 7 Table 7.1 / 『East Asian Face』Chapter 26 (Yeo)

💊 治療カテゴリの俯瞰(概念のみ)

シミ治療は6カテゴリに分けられる。各カテゴリの詳細・使い分け・症例は Q2 シミ治療概論 および各機器Q(Q35-Q47)参照。

  1. レーザー(Qスイッチ・ピコ秒等)→ Q35-Q40
  2. 光治療(IPL・近赤外線等)→ Q41-Q43
  3. 外用(ハイドロキノン・トレチノイン)→ Q48
  4. 内服(トラネキサム酸・ビタミンC)→ Q49
  5. ピーリング(ケミカルピーリング)→ Q46
  6. 注入・ホームケア(肌育注射、美白化粧品)→ Q50

💡 レディアンの臨床方針(再掲)

シミは『種類の見極め』がすべて。肝斑を誤照射しないことから始めます

院内資料に明記。これをカウンセラー教育の核に置く。

📚 出典

図表は教科書からの引用(院内教育目的・fair use)。商用化時には差し替え予定。